2012年3月23日金曜日

原発のウソ

昨年購入した「原発のウソ」(小出裕章)という本を再度読んだ。原発事故から、1年経つとメディアの関心も薄くなってくる。しかし、決して忘れてはならない。関心を持ち続けるためにも、時々本を読む。以下、紹介する。

「核のゴミ」は誰にも管理できない
 日本が原子力発電をはじめてから、まだ45年しか経っていません。原発を動かしてきたのは、東京電力、関西電力などの9つの電力会社が中心です。これらの電力会社は戦後にできました。1951年のことですから、いまだに60年の歴史しか持っていないのです。
日本の家庭で電気が使えるようになってから、125年。それなのに低レベル放射性廃棄物は「300年間お守りをする」などという約束をしている。
 でも、300年先の世界なんて、想像できますか?
 今から300年前は、忠臣蔵の討ち入いりの時代です。その時代に生きていた人たちは、今日、私たちがこんな生活をしているなんて決して想像できなかった。今の私たちだって「300年後の日本人がどんな生活をしているか」なんて想像できません。
 300年後には電力会社はなくなっているかもしれません。民主党や自民党もないでしょう。たった60年の歴史しか持っていない会社が原子力を推進して「死の灰」を生み出し、それを300年間管理するなんてことが、本当に約束できるのでしょうか。当然、電力会社は「一企業の時間の長さからすれば300年は長すぎるから、国が責任を持ってくれ」 と言っています。そりやあ、そうだろうと思います。電力会社が責任を取れる道理がない。
そこで政府は「よし、じゃあ放射能のゴミは国で責任を持ってやろう」と言っているわけです。
ただし、政府にもその責任は取れないでしょう。日本という国は、明治維新が起きてからようやく近代国家になったといいます。それより前は「士農工商」の世界で、侍は刀を持ってちょんまげを結っていました。それからまだ143年しか経っていません。米国の歴史はわずかに235年です。日本や米国という国すら存続しているかどうか分からない未来まで、放射能のゴミをどうやって責任をもって管理していくというのでしょうか。ましてや、高レベル放射性廃棄物を管理する100万年という時間は、何をどう考えていいのか分からないほどです。
 このような途方もない作業にかかるエネルギーは、原子力発電で得たエネルギーをはるかに上回ってしまうでしょう。二酸化炭素の放出も膨大になるでしょう。なにより、見知らぬ子孫たちが100万年間汚染の危険を背負いながら、また莫大なコストを支払い続けながら、「核のゴミ」を監視しなくてはならないのです。
はるか未来の子孫に全ての負債を押し付けることで原子力発電が成り立っているということだけは、忘れないでいただきたいと思います。

 国民の中には、「いつまで原発、大震災のニュースや番組をやっているんだ」とい人がいる。私は、忘れない努力をするべきだと思う。

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