2014年12月5日金曜日

消費税


共済会だよりに連載されている「アメリカは日本の消費税を許さない」(大阪経済大学客員教授 岩本沙弓)の最終回は「社会的共通資本を蝕む消費税は廃止すべき」といタイトルである。興味ある部分を紹介する。
また、以下のような指摘も米公文書にありました。非常に示唆的な内容なので一部の訳をそのまま抽出します。
「法人税の一部(あるいは全部)の代替として付加価値税・消費税が資力の有効利用になるとする主張は、法人をより優先するだけでなく、農業や小売業のような自営業者を少数派に追いやることを暗にほのめかしている。(中略)米国の場合、こうした(大企業優先、その他を劣勢にする)移行を税制度の変更によって加速させる必要などあるのか、と疑問が投げ掛けられるのは当然である。利幅は薄くても農業や他の自営業は、企業で働くという環境に馴染まない(その理由はいくらでもある)人たちの重要な受け皿を提供しているのだ。」
社会全体の安定、経済の安定を考えれば大企業優位の政策ではなく、社会の受け皿として機能している中小零細企業、自営業、農業の役割について、たとえそれらの利幅が大企業に比べて薄かったとしても、重視すべきだというのです。だからこそ、特定大企業優位となる消費税・付加価値税は採用しない、というのが米国の結論でもあるわけです。
先日、日本を代表する経済学者であり、一人ひとりの人間が幸せになる経済とは何かをひたすら追求してきた字沢弘文東京大学名誉教授が他界されました。自然環境、社会的インフラ、医療・教育・農業などは社会的共通資本であって、市場競争に晒されるべきではない、という主張をされてきました。
日本の企業数の99.7%、従業員数7割を占める中小零細企業もまた社会的共通資本に近しいというのが米国の指摘ではないでしょうか。日本の社会的共通資本を蝕む消費税は廃止すべき、そうしたことを今こそ考える必要があるはずです。
資本主義の権化のようなアメリカの公文書に書かれている「消費税」に対する見方はしっかりしていると感じた。

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