2015年5月21日木曜日

フクシマ2013 Japanレポート3.11


フクシマ2013」Japanレポート3.11 を読む。著者は「ユディット・ブランドナー」オーストリア人である。原発事故災害に焦点を絞り、福島を訪れ、被災地に留まり、悲惨な現状を打開しようと人々に会い、インタビューをしている本である。訳者フランドル紀子氏のあとがきの一部を紹介する。
強制避難者も、統計には把握されていない「自由意思」で福島を去った多くの人々も、いまだに目的地のない旅を続けているーー 彼らは自国の中の避難民なのだーー
「人の営みの記憶は、すべてどこか特定の土地、場所と結びついている。その土地から離れて存在しているのではない。そうした、人生の思い出が刻み込まれた土地が汚されてしまった。そこにはもうもどれない・・・」(岩上安身)それがすべての悲しみの根源なのだ。
私の友人のオーストリア人たちは「フクシマはどうなっているのだ」と、頻繁に心配して聞いてくれます。また誰もが「汚染水」の現状をよく知っていて「日本のような最新のテクノロジーを持った国が、いつまでなんと酷い地球環境汚染を続けていくつもりだ」と怒ってもいます。また最近の「数年内に建屋を壊す」という方針は、福島に残っている子供達や、「除染」で帰還させられた人々へのリスクを、どこまで無視しろというのでしょうか。
ところが東京の知人の多くは、ほとんど福島の事を忘れたかのようです。福島のことを話すと「雰囲気が壊れる」という人さえいます。先日上野の駅前で「福島」を呼びかけているいましたが、誰一人として振り向く人はいませんでした。
なにごともなかったかのように、忘れてしまうのがいいというのでしょうか。現日本政府が希望するように、次の大災害が起こるまでは・・・。
七十年代に、日本が原子力発電を導入したときに、反対をしなかったから、間接的責任があると思っている人は、どうかその考えを捨てて下さい。あの当時の大衆は「未来のエネルギー原子力の平和利用」という言葉に、誰もがだまされていたのです。原子力の本当の恐ろしさを知った今こそ、本気で反対運動をしなければなりません。日本人の七十パーセントが、原発は要らないと思っているのですから、皆で力を合わせれば必ず全廃できます。世界中の、日本と日本人を愛する人達が応援してくれています。がんばりましょう。
もう、福島の避難者のことなど忘れたように暮らしている私達。事あるごとに思い出すことが大切である。

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