2011年6月13日月曜日

戦争の条件

 梅原猛氏の「戦争と仏教」という本を読んで、以下のような文章に出会った。「戦争の条件」というタイトルでイラク戦争のことを以下のように述べている。まさにその通りである。以下、要旨。
一、自国が戦争を仕掛ける相手の国よりはるかに強い武力をもっていて、その戦争の勝利が確実であること。
二、相手の国が自国に対して敵意をもっていること。
三、戦争で勝利を収めることによって巨大な利権が得られること。
アメリカ大陸に上陸した白人たちは、その武力において圧倒的に弱体でしかも侵略者に憎悪をもつインディアンを惨殺して大陸を征服し、世界一豊かなアメリカ合衆国という国家をつくった。もちろんこれはアメリカだけではなく、アラブやアフリカ諸国を植民地にしたヨーロッパ諸国、アジア諸国を侵略した日本もほぼ同じようなことをしてきた。このように世界史をみれば、ブッシュ大統領がイラクに戦争を仕掛けようとするのはごく当然なことであるといわねばならない
上記の一、二、三は具体的には以下のようになる。
一、      他の世界各国がすべてかかっていってもかなわないような水爆を含む巨大な武力をもつアメリカがイラクに勝つことは確実である。しかも世界の各国がアメリカの強権に屈したとしか思われない大量破壊兵器の査察によって、イラクが軍事的にまったく無力化したとすれば、アメリカがイラクをやっつけるのは赤子の手をひねるようなものであろう。
二、      イラクは湾岸戦争によってアメリカに対して強い敵意をもつ。そしてブッシュ大統領()は、湾岸戦争を不十分に終結させて、フセイン大統領を生き永らえさせ、それによって父親の大統領再選を不可能にしたイラクに対して強い憎しみをもっている。親の仇を打ち次の大統領選で楽々と勝利を収めねばならない。
三、      イラクは世界第二位の原油埋蔵量をもち、それをアメリカが支配する利権は甚だ大きい。
ブッシュ大統領が過去の権力者あるいは侵略者と同じ精神をもっているとすれば、イラク攻撃をためらうことはありえなかった。このようなアメリカの子分になっている日本はやがてアメリカ以外の国々と戦うはめになるであろう。

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