2011年12月13日火曜日

生きていることを粗末にしてはいけない

 以前にも書いたことがある、恩師河合聡先生から、又本が贈られてきた。
「生きていることを粗末にしてはいけない」と言うタイトルである。卒業して36年にもなる教え子を今でも、気にしてくれる恩師とはありがたいものである。
 以下、贈呈文章と、はじめに、のところを紹介したい。

謹呈 山田龍夫さまお元気ですか。エッセー集をまとめてみました。簡単な「妻の思い出」も付け加えました。興味を持たれたところがありましたら拾い読み頂ければうれしいです。日頃のご無沙汰をお詫びしお届けしました。返礼などのお気遣いはなさいませねように。勝手ですが、これをもって新年のご挨拶に代えさせて頂きたくお願い申し上げます。
201112
はじめに
今年もまた秋がやって来ました。自然は人を裏切るようなことはしません。きびしかった残暑の後に朝夕めっきり涼しくなりました。そして今年も秋はもの思いに人を誘う季節です。
思えば無数といういのちがこの世に生まれ消えていきました。そうした中で私は私というたった一つのいのちを授かり生きてきました。私なりに苦労もしましたし辛い思い出もありましたが、それほどずるい生き方はしてこなかったことだけは思い返してもホッとした安らぎを感じさせてくれます。決して上手な生き方だったとはいえませんが、この安らぎは不器用ながら精一杯に生きてきたことへのご褒美のように思います。その幸せを今しみじみと思います。
思い残すことなど今更ないのですが、2000年秋に妻と別れた後、その時その時の思いを気の向くままに綴り、あちこちに寄稿してきたものをまとめてみようかと思ったのがこの冊子です。読み返して筆を加えたくなる箇所も随所にありますが、私の心の軌跡を大切にするのも意味があろうかと敢えてそのままにしました。そして、最後に簡単な「妻弘子の思い出」のⅠ章を加えました。これは辛い作業でしたが、何か一言文字として残したいという私の気持ちがそうさせました。ご容赦くださいますようお願いいたします。
私だけではなくみんな自分の人生を生きています。それも、この広い宇宙の中で後にも先にもたった一度だけの人生です。今を生きる一人ひとりの思いを重ねて、この冊子から何かを感じ取っていただけたらうれしく思います。

私には、この本が私達への遺言に思えてならない。まだ、元気なうちにもう一度会いたいと思った。

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