2011年12月29日木曜日

食の文化 米

物語 食の文化(中公新書)という本を読んでいる。その中で、なるほどと思った部分を紹介したい。
 米の調理
もち米とうるち米 日本に古く渡来したイネはもち種であった。イネにはもち種とうるち種があり、それぞれもち米とうるち米を与える。両者の差はでんぷんの組成にあって、もち米はアミロースを含まずアミロペクチン100%であるが、うるち米は1520%のアミロースを含んでいる(インディカ種では2030%)。もち米は蒸して食べ、うるち米は煮て食べる。古代大陸から渡来した土器の甑(こしき)が米を蒸すのに使われ、蒸したもち米が平安時代まで上層階級の主食であったが、やがてうるち米に替わった。うるち米を煮ると粥になり、水が多いと汁粥、少ないと固粥と呼ばれた。
平安時代半ばに固粥が姫飯(ひめいい)と呼ばれて日常の主食になり、これが今日のご飯になった。現在もち米は蒸寵(せいろ)で蒸し、杵でついて餅にし、正月や物日に食べる風習になった。こしひかりなど現在銘柄米として好まれる米はアミロペクチン含量が比較的高い。
赤米 古代の米はまた赤米であったといわれる。イネは本来赤色や紫色の種実を与えるものが遺伝的に優性で、白色の種実を与えるものは劣性であるが、突然変異で生成した白い米を与えるイネを人々は選別して栽培した。白い米は見た目に美しく、食味もよかったからである。現在わが国では祝い事などにはもち米に小豆の煮汁を使って赤飯を作り、古代を偲ぶ風習がある。

うまい米は「アミロペクチン」が多いという事や、現在、赤飯を祝い事に食べるが、その起源が古代の「赤米」から来ている事を初めて知った。私は餅が大好きだ。この正月は食べすぎに注意しよう。よいお年を!

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