2012年1月5日木曜日

ロビンフッド税

15日号の「平和新聞」に興味ある記事があった。

金融取引に課税を!  伊新首相が導入検討
先月就任したイタリアのモンティ首相が1214日、国際金融取引税の導入検討を表明した。国民の税負担を軽減する一方で、2013年までの財政赤字解消に必要な税収を確保するのが狙いという。
欧州では、すでに独仏やスペインなどが導入支持を表明している。しかし英国やイタリアのベルルスコーニ前首相らが強く反対していた。同国の方針転換で、導入に向けた弾みがつきそうだ。
金融取引税は、通貨や株、債権その他の金融派生商品の取引に課税するもの。暴政に抗して貧者の味方となった英国伝説の英雄の名をとってロビンフッド税ともいう。 
たとえばEU (欧州連合)でいま検討されている案では、金融取引に0.005%課税することで、570億ユーロ(6兆円)の税収を見込んでいる。日本でも導入されれば円の売買に課税するだけで数千億円から数兆円の財源が生まれると試算されている。
投機を抑制して為替の安定を図るとしてノーベル賞受賞者トービン教授が提唱したので、トービン税ともいわれる。40年近くたつが、金融界や米英が強く警戒。「各国が一斉に導入しなければ意味がない」などの主張で、政府レベルの議論になかなかならなかった。
それが3年前のリーマンショック後の金融危機で変わった。「金融投機を抑えて貧者の救済に」の声が各国の主要世論となった。スティグリッツやサックスといった米国の著名学者が毎年、署名を集めて主要国に書簡を送り、導入を訴えている。今年4月には、それが50カ国1000人のエコノミストに拡大した。ローマ法王やビル・ゲーツも熱心に導入を訴えている。
世界中に広がった反貧困・格差デモでも共通の要求となっている。11月末には、世界で導入を求める一斉行動がおこなわれた。
金融不安が深まる欧州では導入論が強まっている。ブリュッセルで12月初め開かれたEU首脳会議は、財政規律の強化とともに金融取引税の導入を含むユーロ安定化で合意した。EUではすでに内閣にあたる欧州委員会が、2014年からの導入を決めている。9月に欧州議会で説明したバローズ委員長は「今度は金融界が社会に貢献する時だ」と強調した。
先月カンヌでのG20(主要20カ国首脳会議)でも焦点となった。議長のサルコジ大統領が個別会談で熱心に導入をといた。ブラジルやアルゼンチンが賛成を表明。その結果、最終宣言と首脳会議のコミュニケの両方に、「金融取引に課税する仕組み」の検討が盛り込まれた。サルコジ大統領は、国際会議の公式文書に金融取引税が初めて盛り込まれたことを最大の成果と強調した。
そのG20の場で、野田首相は消費税増税の決意表明をした。国際的な流れとは逆の対照的な表明だった。日本の大マスコミはなぜか、こうした動向をわずかしか報じない。消費税の増税しか目にはいらないからなのか。(田中靖宏)

命がけで「税と社会保障」を言うなら、大いにこういう事を真似て欲しい。

0 件のコメント:

コメントを投稿