2012年6月14日木曜日

TPP

 全国革新懇ニュースに載っていた記事で、エジプト生まれのタレント「フイフイ」さんが、TPP問題についてのインタビューがわかりやすくていい。一部を紹介する。

崩される社会システム
日本の環太平洋連携協定(TPP)への参加に警鐘を鳴らしていますね。
日本の国は「経済が活性化します」とだけ言ってTPPの中身をちゃんと発表していません。私はアメリカに留学していました。アメリカはもうけることしか考えていないし、TPPもその一環です。
TPPに参加すれば遺伝子組み換えや農薬、添加物など日本の規制基準を満たさない食品がアメリカからどんどん入ってくる。
東北の農産物を「食べて応援」と言いながら、TPPに参加しようという(日本政府の)姿勢は非常に矛盾します。国が放射能の値をちゃんと発表しないため、東北の農家はすごく不安を抱えていし、TPPで米やいろいろな食品が自由化されたら、ダメージは大きいでしょう。
日本がずっと守ってきた国民皆保険も自由化されてアメリカのようになってしまう。アメリカでは虫歯一つ治すのに10万円をくだらないですよ。薬事法(医薬品や医療機器に関する法律)も規制がゆるくされて、日本人には強すぎるアメリカの薬を使わせられると思います。国民の健康を守る国の義務を、完全に放棄していますよね。
労働者も流入する。著作権などもフリーになり、「日本のものはアメリカのもの」という状態に変わるのでは思います。日本は丁寧とか時間を守る、正直など、独特のきっちりした生き方のなかで平等の社会システムをつくってきた。それが「貧しい人は死んでください」というアメリカの弱肉強食の制度で崩されてしまいます。
若者は政治を知りたい
日本政府はTPP交渉で日本に有利な枠組みをつくると言っています。これまでの外交を見ても、対等に交渉できたことがありますか。アメリカのいいなりですよね。自信があるなら、なぜ沖縄の普天間基地問題はうまく解決できないの。
政治に無関心にさせられると、国のやりたい放題になってしまいます。日本と同じ親米政権だったエジプトでは、国民が食べることもできない、大学を出ても職がない状況が長く続いて、昨年2月、革命が起きました。
日本の報道は欧米からの情報ばかりです。私がアラブ側からみる「アラブの春」(中東の民主化運動)やエジプト革命をブログに書くと、若者から「かっこいい」「日本の将来をみているみたい」「日本人はどうしたらこういうことができますか」など'たくさんのメッセージがきて励まされました。日本の若者は政治や世界の動きを知りたいとどん欲です。
社会が良くならなければ、自分の生活だって良くならない。だから将来のことを考えるとき、自分の将来だけではなくて、大きな枠で考えないといけない。
日本に限らず若者は、大人のやっていることに疑問をもっています。資本主義が世界を支配し、日本も資本主義ですが、「理不尽だよな」「不公平だよな」と純粋な疑問をもっている。良い刺激を受ければ、いくらでも力を発揮します。

物事を見る眼は、一面的では掴めない。日本政府の行動が、アメリカからだけでなく、中国からみたらどうなのか、ロシアからみたらどうなのか、アラブからみたらどうなのか・・。身近な問題では、弱者からみたら、今の社会保障はどうなのか・・。違った視点で考えることを習慣付けることが、重要だ。

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