2014年1月14日火曜日

TIP

 
「正しい治療と薬の情報」(TIP)という月刊誌をとっている。薬に対しては辛口である。こういう雑誌がないと、製薬メーカーにいいなりの情報ばかりになってしまい、「ディオバン問題」のようなことがまた起きてしまうかもしれない。その中の情報をひとつ紹介。

フエンタ二ル(デュロテップMT)と幼児の死亡

使用済み貼付剤の廃棄に対する安全義務

昨年(2013)8月、生後15ケ月の幼児がフェンタニル貼付別により事故死した事件の反省から、米国の非営利団体ISMP(薬物安全使用協会)は同薬剤の危険性に対する注意喚起を促している。事故は、フェンタニル貼付剤を使用していた女性が、子供を抱きながら添い寝していたところで起きた。
目覚めてみると子供は胸の上で昏睡状態になっており、胸に貼っていたはずのフェンタニルはなく、子供が誤って飲み込んでしまったらしかった。検査の結果、子供はフェンタニル中毒であることが確認された。
他にはまた、長期介護施設にある祖母の部屋で遊んでいた2歳の男児が、使用済みのフェンタニル貼付剤を飲み込んで死亡したという事例もあった。
20124月のFDA報告によると、フェンタニルよる偶発的曝露は1997年以来26件あり、その多くは2歳以下の幼児であった。10人は死亡し、12人は入院を必要とする状態であった。こうした事故を防ぐなど.さまざまな場面で、この薬がもつ潜在的な危険性をきちんと伝える必要がある。使用済みの貼付剤には大量のフェンタニルが含まれているので、その廃棄法についても患者に指導することが必要である。日本の添付文書には、このような注意書きはまだ記されていないので、メーカーは早急に改訂をすべきである。
「フェンタニル」と言えば、「がん性疼痛」「高度な慢性疼痛」に使用される麻薬である。こういうことはFDAを見習って、早急に添付文書を改訂すべきである。

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