2015年2月13日金曜日

知的勇気


全国革新懇ニュース366に丹羽宇一郎氏のインタビュー記事が載っている。示唆に富んでいるので紹介する。
いま、日本の知識人について、たいへん憂えている。とくにここ数年は、ひどい。特定秘密保護法、集団的自衛権・・権力を問いただすべき問題がいくらでもあるのに、知識人、ジャーナリズムを含む有識者の発言が弱い。国民に対する責任をみずから放棄していることになる。権力に対しモノをいうのは当然のことだが、昨今の日本では、「知的勇気」も必要だ。
知識人がこんな状況では、国の羅針盤が故障しているようなものだ。日本の将来が危ぶまれる。
歴史を学ばない物は歴史を繰り返す
日中両国民に言いたいことのひとつは、日本人も中国人も、互いに相手を70年前のイメージでみているということだ。実際の日本人、中国人を知らないで言い合っているんだ。
先入観にとらわれず、「等身大」でみれば、本当の姿が見える。そうすればお互い絶対に必要な存在であり、そうならば仲良くしなければならないことがわかる。
安倍首相が「総理大臣」として、靖国神社を参拝したことは大きな問題となった。歴史認識の問題が問われている。
日本は先の戦争で無条件降伏し、連合国45カ国と講和条約を結んで国際社会に復帰した。そこで確定した歴史認識というものは海を越えた存在だ。これを土台にして戦後に確立した国際秩序に挑戦し、修正するがのように受け取られる言動を総理大臣がとるのはよくない。国際社会に通用はしないだろう。
米国議会図書館の礎石に刻まれている「歴史を学ばないものは歴史を繰り返す」という言葉に学ぶべきだ。駄々をこねているように受け取られてしまう。
だいたい日本の生命線は平和だ。自由貿易だ。日本は最も平和でなければ生きていけない国なんだ。戦後のアメリカ主導の平和体制を否定、修正することは、世界各国より理解を得られないだろう。
安定した雇用こそ企業の社会的責任
非正規社員ばかり増やしていたら(日本経済はダメになる。しっかりと教育し、まともな給与を出し、子どもを安心して育てられるようにしなければならない。安定した雇用こそ、企業の社会的責任だ。非正規社員が38%では、まともな事業などできず、会社もなりたたなくなる。
一部の人が何億円、何十億円ものカネを手にし、一方で年収200万円以下という人が増える社会はどこかおかしい。格差が固定化し、拡大してゆくと、社会不安がおきる。だから会社のためにも、社会のためにも、社員は、全部正社員にするぐらいのつもりで、と言っている。当たり前のことだし、普通の経営者なら考えることだ。
青年は努力が楽しくなるようになりなさい
格差社会で厳しいのはわかる。そんな歪んだ社会をただすのは大人の責任だ。そういうもとでも、あえて青年に直言したい。人間の遺伝子は、999%同じと言われている。努力が人を決める。努力は人を裏切らない。1に努力、2に努力、3に努力だ。そしてイチロー選手のように努力が楽しくなるようになりなさい、といいたい。もうひとつ。日に3回、身体には栄養を与えているんだから、心にも毎日、栄養を与える努力をしてほしい。期待している。(聞き手乾友行)
「心にも毎日栄養を」はまさに至言である。毎日の努力が大事である。

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