2015年2月9日月曜日

名言・警句


二木立氏の「医療経済・政策関連ニューズレター」の私の好きな名言・警句の中から紹介する。
トマ・ピケティ(フランスの経済学者。「政治歴史経済学」(a political and historical economics)の確立を目指す)
「社会科学研究は、一時的なもので不完全なものだし、それは今後も変わらない。経済学、社会学、歴史学を厳密な科学にするなどとは主張しない。でも事実やパターンを辛抱強く探し、それを説明できそうな経済、社会、政治メカニズムを落ち着いて分析すれば、民主的な論争の役には立つし、正しい質問に注目させることはできる。論争の条件を見直す役にも立つし、いくつかの暗黙の想定やまちがった想定を明らかにすることもできるし、あらゆる立場を絶えず批判的な検討にかけることもできる。私の見解では、これこそが社会科学を含む知識人の果たすべき役割だ。知識人は他の市民と同じ立場だが、でも研究に没頭する時間を他の人よりも持っているという幸運な立場に置かれた(そしてそれに対して報酬を得られるーこれは顕著な特権だ)人々なのだから」(山形浩生・他訳『21世紀の資本』みすず書房,2014,3-4)
二木コメント-社会科学の特徴と社会科学研究者の使命を簡潔にまとめていると思います。特に、最後の一文に大いに共感しました。逆に、私が一番嫌いなのは、「研究に没頭する時間を他の人よりも持っている」文科系大学の教員が、「忙しい」とか「忙しくて研究ができない」と発言(弁解)することです。私は、勤務先で教員がそのような発言をした場合、すぐに阿部謹也氏(一橋大学元学長。故人)の名言「学者は忙しいと思った瞬間ダメになる」(「朝日新聞」19901217日夕刊)を紹介し、諭して(?)ています(詳しくは、『医療経済・政策学の視点と研究方法』勁草書房,2006,165,「私の美学―『忙しい』とは絶対に言わない」)
私も、よく「忙しい」と言う人を見かける。ほとんどが仕事をやらなかった言いわけにしか聞こえない。

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