2013年2月12日火曜日

かんてんぱぱ


新婦人新聞に「会社は、社員を幸せにするためにある」という会社の社長の紹介が載っている。その会社の名前は「かんてんぱぱ」で有名は「伊奈食品工業」である。一部、インタビュー記事を紹介する。

9割近くが人生に不安を抱いている・・新成人へのアンケート結果です。20年間で従業員を100万人減らしながら、内部留保を20兆円も増やしている大企業ほど女性を冷遇し、電機、情報産業を中心に13万人もの首切りを強行しようとしています。「日本でいちばん大切にしたい会社」など、注目の企業のトップから聞きました。
利益は目的じゃない
人間の営みは、人間が幸せになるためにできたはずです。学校をつくるのも、病院をつくるのも、鉄道を敷いたり道路をつくるのも。そんな人間の営みの中でひじょうに大きなウエイトを占める会社組織が、じつは倒産や工場閉鎖による解雇をしてハッピーじゃない人をいっぱいつくっている。
私は、会社の利益は健康な体の「ウンチである」と言うんです。健康な体なら必ず出る。それを目的にしている人はいないでしょう。それと同じことで、会社も利益を目的にしてはいけません。体にいきわたらせなければいけない栄養をケチって、ウンチを多く出そうと言うのがいまの大方の会社経営です。社員に分配したり社会に還元したりすることをやらずに、利益だけだそうとしている。それが間違いだとわからせたいから、私は強烈な言葉で言うんです。
社員と会社のために
若い人の車離れと言われるけど、若い人はほんとうは車が好きですよ。買えないだけ。会社は内部留保をため分配しないから働く人にお金が回っていかない。内部留保で、海外の工場をつくるようなことばかりに興味を持っているからです。なぜそうするかといったら、会社は株主のものだから。限りなく売り上げを大きくして株価をあげ、株主の期待に応えられるからと出て行く。そこが間違っている。会社は株主のためじゃない、社員のためにあるんです。
渋沢栄一は『論語と算盤』という本のなかで、人の道を説き、同時にきちんと経営しなければいけないから、そろばんも大事だよといった。まさしくそうなのです。うちだって、社員500人が定年まで勤めるわけだから、その人たちがちゃんとした家庭を築いて幸せになれるようにしなければいけない。そのためにはちゃんとした利益が出るようにしなければならない。さりとて、人に迷惑をかけるような商売をしたくない。むずかしいしフレッシャーはかかりますけど、だから一生懸命働いて、知恵を出しています。
社員のための会社が、外国にいくわけにはいかんでしょう。だから私どもはここで一生懸命がんばる。そうすることが社員のためにもなり、地域のためにもなる。そうやって一生懸命まじめにやっていれば、みんなが支援してくれる。またその期待に添うようにしないといけないなあとプレッシャーがかかりますが。

塚越寛社長は「社員への一番の裏切りは、会社の倒産、縮小である」と言っている。まさにその通りである。こんな会社があるのだ。

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