2014年6月24日火曜日

やじと笑い


東京都議会での男性議員からのやじ問題について、さまざまなコメントがなされている。大部分は男性側からのコメントである。女性側から、毎日新聞の発信箱で小国綾子が以下のコラムを書いている。
女性蔑視のやじと笑い声
駆け出し記者時代、長野地裁で女性が被害者の殺人事件の公判を取材した。残虐なまでの性的暴行が読み上げられ、耐え切れず周囲を見回せば、検察官も裁判官も被告も弁護士も記者も全員が男性。みなが平然として見え、急に怖くなり逃げ出したい衝動に駆られた。
あれから四半世紀。今では法廷で多くの女性が働き、被害女性の人権への配慮も以前より進んだ。いつの間にかあの日の心細さなどすっかり忘れていた。「やじ」の話を聞くまでは。
東京都議会の一般質問で女性議員が子育てや不妊治療への支援策について質問に立ったところ、男性議員から「自分が早く結婚した方がいいんじゃないか」「産めないのか」とやじが飛んだという。ニュースサイトの動画でその時の状況を見てショックを受けた。やじも卑劣だが、その後に起こった男性議員たちの笑い声、あれはいったい何?誰か一人でも「そのやじは人権侵害だ」と大声で反論してほしかった。議事を止める動議を出してほしかった。私がこの女性議員だったら、やじ自体より、からかうような笑いが起こる都議会の空気の方が耐えられなかっただろう。あの日、長野地裁で感じた、味方が誰一人いないような心細さを感じてしまっただろう。
セクハラや人権侵害が起きた時、問われるのは周囲がどんな態度を取るかだ。うやむやにして「五輪開催都市。東京の議会は女性蔑視OK」と世界に宣伝するのか、この機に人権侵害の発言ややじ一層するのか。セクハラ対応の大原則は、①事実確認②加害者・被害者への適正な措置③再発防止を講ずるーー の三つを迅速に行うこと。再発防止策を待ちたい。
東京都議会は議員一人の謝罪で済ますのか、再発防止策を講ずるのか注視したい。

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