2015年4月21日火曜日

沖縄と福島


毎日新聞「発信箱」に政治部記者のコラムが載っていた。全文紹介する。
沖縄と福島
先日取材で沖縄を訪れた際、福島第1原発事故を機に2人の息子を連れ水戸市から避難している久保田美奈穂さん(36)に会った。内部被ばくによる健康不安から戻る気になれず、6月で丸4年。息子は10歳と5歳になった。
それまで政治に全く興味がなく、反原発運動も人ごとのように見ていた。しかし原発事故で平穏な生活は引き裂かれ、国や東京電力との交渉を重ねる中で「事故の被害に誰も責任を取らない」と痛感。2年前の311日、国と東電を相手取り、原状回復と被害者全体の救済を求める訴訟の原告団に参加した。
沖縄に避難したことで、米軍基地問題にも目覚めた。米軍普天間飛行場へのオスプレイの配備を止めるゲート前での座り込みに駆け付けたこともある。在沖米軍は日米地位協定で事実上の治外法権状態。「基地の被害も誰も責任を取らない。おかしいと思ったことを見過ごしたら認めることになる」と思ったからだ。今年3月には原発と基地の問題を考えるシンポジウムを1人で企画し実現させた。
「原発事故がまた起きたら、私たちは加害者になる。自分が子どもにしてあげられるのは、原発再稼働に反対し、よりよい社会を残すこと」。久保田さんの言葉は、普天間飛行場の名護市辺野古への移設に反対する人から聞いた「基地が造られ、戦争に加担することになったら、私たちは加害者になる」という言葉と重なる。沖縄と福島。共通点を見いだす意見も、同列に論じるべきでないとの意見もある。基地と原発が自然に結び付いた人もいると知った。
シンポジウムを一人で企画し、実現するとはすごい。以前にも書いたが、新聞の小さな記事の中にはいい記事が多い。テレビは深夜にいい番組がある。意識的に捜してみる事をお勧めする。

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