2012年7月2日月曜日

ソーシャルメディアと社会運動

「原発再稼動反対、原発いらない、いますぐ廃炉を」をインターネット上で呼びかけ、大きな行動となっている。それに関連して日経で、興味ある文章が載っていたので、紹介する。
建設的な智恵を
たとえば大飯原発の再稼働を決めた政府・官庁に対してテロをあおるようなツイートが流れ、「炎上」を招いたこともあった。ソーシャルメディアと連動した社会運動は匿名性と移動性の高さが特徴だが、匿名性に隠れて時に粗暴になったり、言いっぱなし、やりっぱなしの無責任な言動もありえよう。
そうして自滅への道を辿らず、デモは建設的にして批評的な社会運動であり続けられるか・・・その問いは20世紀初頭の二人の社会心理学者の間の論争を想起させる。ル・ボンは特定の場所に集まって声や身振りで情報交換する群衆を暗示にかかりやすく、衝動的で非合層な存在とみなした(『群衆心理』講談社学術文庫・93年)。G・タルドはメディアによって情報を共有する理性的な公衆の登場に期待した(『世論と群集』未来社・64年)。デモは様変わりしたが問題の本質は変わらない。
つまり人間は集団となった時に、力を合わせて自分たちの未来を良きものに変えるだけの智恵を備えているか、それが常に問われ続けているのだ。
確かに、これだけ多くの人が、デモという形で集まることは大きな力となりうる。しかし、これからを変える知恵を出すには、しっかりとした組織が必要であることも、事実である。

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