2012年12月19日水曜日

日医総研ワーキングペーパー


日本医師会総合政策研究機構(略して日医総研)は定期的に「日医総研ワーキングペーパー」を出している。1210日出した「これまでの構造改革を振り返って」-医療の営利産業化の視点からーは参考になる。以下、まとめの部分を紹介する。

本稿は、これまでの構造改革を通じて医療分野で生じた事象を、図表で振り返ったものである。これをもとに具体的なディスカッションをしようとするものではない。しかし、最近の社会保障改革の根底に流れている考え方の中には、小泉構造改革時代の新自由主義的な考えに近い面もあることを踏まえ、いくつか検討を加えたい。
第一に、小泉構造改革を通じて、国民の生活が豊かになったとも、国民が幸せになったともいえないように思われる。当時の担当大臣は、構造改革が不十分なため、十分な成果が出ていないと述べている、構造改革を完遂すれば成果が出るのだろうか。今からでもこれまでの構造改革をあらためて検証し、総括をすることは、今後の社会保障のあり方を方向付けるために価値のあることではないだろうか。
第二に、医療分野では効率化が求められているが、これも混合診療の全面解禁、ひいては営利産業化に結び付く。たとえば平均在院日数を短縮化すれば、在宅医療や介護の需要が増える。在宅ではさまざまな保険給付外コストが発生し、介護は言ってみれば「混合介護」である。公的保険からの給付が削減される一方で、公的保険周辺の自由価格市場は確実に拡大するだろう。そういう意味では、平均在院日数ひとつをとっても、まさに構造改革下での施策であるという認識をもって、今後の医療政策を注視していきたい。
最後に、国民は消費を抑制しつつも貯蓄をしている(あくまで平均であり格差は大きい)。これは将来の社会保障に不安があるためではないだろうか。しかしその貯蓄も働き盛りの世代は縮小している。私たちが安心できる将来の社会保障制度を構築するためにも、これまでの構造改革の評価や反省をきちんと行い、そのうえで次の一歩を踏み出してほしいと考える。
当時の担当大臣とは、竹中平蔵氏のことである。現在は維新の会のブレーンをしている。竹中平蔵元経済財政政策担当大臣(2001-2006)は、非正規雇用が増加したのは派遣規制を緩和したからではなく、むしろ改革が不十分だからだと述べている
安倍政権が出来ようとしている現在、安倍氏は日米同盟強化、TPP早期参加を打ち出している。様々な団体との共闘で問題を打開していかなくてはならない。

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