2014年11月12日水曜日

自立とは


二木立氏の「ニューズレター」の中に、何度か紹介している「私の好きな名言・警句」がある。今回はその中から鷲田精一(哲学者)氏の言葉の所を紹介。
鷲田清一(哲学者)
「自立すれば自分が好きになるというのは嘘です。というか、自分をふり返ると嫌なところばかり目につくのが常で、自分が好きな人などめったにいるものではありません。自立している、つまり大人であるというのは、自分に自信をもっているということでもありません。
自立というのは、自分の今がどれだけ多くの人に支えられてあるかを熟知しているということです。そしてだれかが困窮していれば、自分のことは後回しにしても、まずはその人の支えになろうとして動く、そんな用意があるということです。
どうしたら自分が好きになれるかなどとぐずぐず考える自分は放っておいて、どうしたら困っている人の役に立てるかと問うことからやり直してください」「読売新聞」2014920日朝刊、「人生案内」20代後半の男子大学院生で「温室育ちで育ったボンボン」から「どうしたらもっと今の自分を好きになり、もっと自立した人間になれるのか」と相談されて、こう回答えた。
二木コメント-痛快な回答であると同時に、「自立」についての深い理解が含まれていると思いました。
私は、「自分のいいとこ探し」とか「自分探し」ということが嫌いである。鷲田氏は私が思っていることと同じことを、哲学者らしい言葉で言っている。

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