2012年10月24日水曜日

ハシズム


 民医連医療11月号「メディアへの眼」(畑田重夫)は何回も取り上げているが、今回、「第3極論をめぐって」というタイトルで「橋本氏」のことを論じている。興味深いところを紹介したい。
 ハシズムという言い方
よく、メディアのうえで、橋下氏のことに関連して“ハシズム”という表現が用いられるのを見聞しました。それは、悪名高いヒトラーの“ナチズム”と関連づけての表現でした。ヒトラーも、第一次世界大戦後のドイツでは、人々の眼からみて、なかなかその本質を見抜くのは容易ではありませんでした。とくに、ヒトラーが率いる政党自体の正式名称が、「民族社会主義ドイツ労働者党」(NSDAP)でしたので、ドイツの労働者たちは自分たちの政党だと思いこみ、この党にカネも票も与えたのでした。
ヒトラーは、暴力的に、クーデターによって政権をとったのだと思いこんでいる人があると思いますが、そうではなくて、彼は徹底して選挙を重視し、選挙によって第一党になり、1933年に政権についたのでした。
同じように、橋下氏も、選挙を重視しています。201011月の大阪のダブル選挙で、自分は大阪の市長になり、松井氏が大阪の知事になったのでしたし、いままた、「大阪維新の会」が、国政へかかわることを決め、「日本維新の会」という正式の新党名で橋下氏が党首、松井氏が幹事長ということも確定しました。そして、次の総選挙で過半数を獲得するのだと豪語しています。
このように選挙重視もヒトラーと同じですし、財界との結びつきも全く同じなのです。ヒトラーも、政権獲得のころには完全にクルップやティッセンというドイツ最大の金融資本と結びつき、そういうところから豊富な資金を得ていたのです。
橋下氏も、たとえば「原発ノー」と言っていたときもありましたが、関西電力をふくむ大阪財界の幹部と会ったとたんに一転して原発再稼働を唱えはじめたことは、読者の皆さんのご記憶に新しいところではないでしょうか。大企業、独占資本こそがいわゆる経済理論を含め、弱肉強食の新自由主義に固執していることは、いまさら申すまでもありません。
日本のマスメディアが、権力へのチェック役というジャーナリズムの本質から逸脱して、政・財界の支配層の利益を代弁する役割をにないつつある今日、基本的に財界と利益をともにする橋下氏を連日持ち上げる根拠は、いともはっきりしたというべきでしょう。
橋下氏の言動・行動が面白いから、正しいから、メディアに出ているのではないのだ。意識的に日本のメスメディアが、彼を露出させているのだ。その理由は言うまでもない。


0 件のコメント:

コメントを投稿