2014年8月18日月曜日

幸せについてと国富論


NHKの「100分de名著」は時々紹介するが、今回は別冊「100分de名著」「幸せについて考えよう」という本を紹介する。その中で経済学の章がある。なんと強面の「浜矩子」氏がアダム・スミスの『国富論』から“幸せとは人の痛みがわかることである”と言っているのである。その章の「割り込みコラム」ということで、哲学者の西研氏が、アダム・スミスの『国富論』の「道徳的感情論」について、以下のように述べている。
哲学の立場から
アダム・スミスは『道徳感情論』で、道徳というのはシンパシー、つまり「共感」の働きから生まれてくると言いますね。ルソーの言う「あわれみ」とも響き.合っていますが、ここがアダム・スミスの優れたところだと思うのです。いわゆる新自由主義とはまったく根本精神がちがうということです。
ただ問題は、やはり自由な暮らしが一定程度進展すると、共感性が失われるという側面があると思います。いまの日本も、それがかなり深刻になってきている。ぼくが「確かめ合いを大事に」と強調しているのは、お互いの思いを伝え合うなかで、「そうか、この人はこんなふうに感じていたのか」と言葉で確かめることをしないと、やはり共感のおよぶ幅も狭くなっていくからです。なんとか共感の働きを活性化していかないと、いまはしんどい状況だと思います。
アダム・スミスの『国富論』が本来の意味から、間違った捉え方をされているのが残念である。

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