2014年8月20日水曜日

七転び八起き


毎日新聞の野坂昭如氏の連載「七転び八起き」は「集団的自衛権、何故そんなに急ぐか」というタイトルである。一部紹介する。
安倍首相は集団的自衛権の行使容認を押し通した。これからの日本の在り方に関わる大転換を、わずかなメンバーによる閣議決定で決めるという暴挙に出た。昭和9年頃の大日本帝国陸軍の抱懐した考え方を彷彿とさせる。
いかなる事態でも国民の命と平和を守り抜く、その大きな責任があると、安倍首相は言う。時の権力が変われば解釈も変わる。その時々の首相が決めることになる。集団的自衛権に歯止めはない。安倍さんがあとどれくらい首相を続けられるか知らないが、数年足らずの「大きな責任」に過ぎず、あとは知ったこっちゃない。無責任すぎる。野党がいかにもだらしがなく、正面からその本質をあばく力がない。あるいは世間の側の無関心か。
いずれにしても集団的自衛権行使容認は、戦後の大きな曲がり角であろう。日本は戦後69年、集団的自衛権を結ばず戦争に巻き込まれなかった。何故今、そんなに急ぐのか。時代が違うといい、積極的平和主義だという。日本列島はユーラシア大陸の東に張りついたアメリカの楯。自他共に認めていたアメリカの世界の瞥察というポジションは変わりつつある。
アメリカにばかり頼っていられぬ。やられたら自前でやり返すだけの軍備を持つことが肝要。万全の備え抑止力によって平和と安全を確かにするという。言っておく、暖味な抑止力ほど危ないものはない。リスクを伴う。
軍事国家というものは基本的人権の抹殺を意味する。日本は安保に只乗りしているわけじゃない。沖縄という犠牲を払っている。集団的自衛権行使容認はハードな面のみならず、人の心、考え方を硬くする。
野党がだらしないと書かれているが、だらしなくない野党がいることは書かれていない。

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