2014年10月21日火曜日

枕草子


NHKの「100分で名著」で清少納言の「枕草子」をやっている。解説は文学博士の山口仲美氏である。その中でマナーの欠ける人の事を述べているところがあるので紹介する。
マナーに欠ける人とは?
では、清少納言は具体的に、どんな人がマナーに欠け、どんな人がマナーにかなっていると言っているのでしょうか?まずはマナーに欠ける人の例から。「にくきもの」(二六段)という章段に集中して書かれています。「にくし」は、現代語の「にくい」ほど、相手に対する攻撃性を持っていません。現代では、「殺してやりたいほど憎い」のように、相手に何か害を与えてやりたいと思うような強い攻撃性があります。
平安時代の「にくし」は「気に入らない」「癪に障る」「いやだ」くらいの意味で自分自身の中にとどまる感情です。
「にくもの」の章段には、清少納言の規範意識や美意識から外れるものが「にくし」として列挙されているので、裏返すと、「そうあってはならない」という礼儀作法が説かれていることになるわけです。
さて、この章段から、マナーに欠ける人を抜き出してみましょう。後ろに現代語訳をつけておきます。
いそぐ事あるをりに来て、長言するまらうど。あなづりやすき人ならば、「後に」とてもやりつべけれど、心はづかしき人、 いとにくくむつかし。
(急いでいる時にやって来て、長話をするお客。軽く扱ってもいい人なら「あとで」などと言って帰してしまえようが、気のおける立派な人の時は、そうもできず、ひどく憎らしく困ってしまう。)
いますよね、こういうお客。出かけようと思っている矢先に玄関に現れ、こちらの都合も考えないで長々と話す。こちらが落ち着かない様子を見せても、ちっとも察してくれないでどんどん腰を据えて話している。
今から1000年位前の「枕草子」書かれていることは、今とまったく変わらない。人の心は簡単には変わらないものなんだなあ。

0 件のコメント:

コメントを投稿