2014年10月2日木曜日

地救人


「人にはどれだけの物が必要か」という本から示唆に富む文章を紹介する。
最後に結論をいます。科学はずいぶん進歩したようだけれども、私は社会科学から医学、動物学、植物学など、割合広くやって、この頃ハッキリ分った。人間には人間から遠いものほどよく分る。宇宙、火星、冥王星まで行くような宇宙船とか、日食がピッタリ当るとか、人間から遠いものを扱う学問は、もう信頼出来る。
ところが、学問は人間に近付いてくるほどインチキです。人間自身に関する学問は一番発達していない。哲学、医学の大半は信頼できない。心理学、教育学もデタラメ。学説や「常識」がコロコロ変る。だから、社会科学なんて言うな、と言うのです。社会や人間を扱う学問というのは、数量化・モデル化が出来ないけれども、面白いものをやる学問だということで、科学から外せばいいんだけれども、みんな、社会科学を数量化とかモデル化とかいうことでつまらなくするから、碌なことがない。人間に関する学問は、芸術と同じで、面白くて感動を与えれば証明は不必要です。
私はいまのような生き方で、公害の問題、地球資源の問題に対してはいろいろ実行し、多くの提案があるけれども、最後に、「地球は私のもの、私は地救()人だ」ということを、皆さん方の中の誰か一人でも真剣に考えて頂きたいと思います。
別に法律で規制するわけではない。みんなが勝手にそう思えばいい。思うことは互いにぶつからない。精神の世界は無限空間で、お互いにぶつからない。すべての人が「地球は私のものだ」と思えば、問題はずうっと解決する。それをもうちょっと体系化して、世界に広めることが、いまの日本が、進んだ科学の英知を集めた上で、やれることではないだろうか。こういう楽天的な立場で毎日暮しております。
「地救人」という言葉は面白い。学問は人間に近付いてくるほどインチキだというのは、成程と思う。

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