2013年7月19日金曜日

原発輸出

  
民医連医療の畑田重夫氏の メディアへの「眼」を紹介する。
「主要メディアの人道性の欠如」
今月は、日本国民として我慢のならないことについて書きたいと思います。それは、主として次の2つのことについての主要メディアの態度に関連することです。1つは、核兵器廃絶問題と歴代日本政府の政策・態度との関連であり、1つは、原発の輸出問題にみる安倍内閣の政策に関連することです。
原発の輸出に前のめりの安倍首
主要メディアのアベノミクス礼賛についてはすでにこの連載でもふれましたが、内閣支持率が高どまりを保っているのをいいことに、すっかり調子づいている安倍首相5月の大型連休中には中東歴訪の旅に出ましたが、その行く先々で何と原発のセールスに奔走したのです。
福島第一原発の事故について2年以上経っても事故原因の特定さえできず、放射能汚染の拡大を止めることも、高濃度の汚染水の処理方法も見出すことができず、いまだに15万人の住民が避難を強いられている現実をよそに、「日本は世界一安全な原子力発電の技術を提供できます」といいながら51日にはサウジアラビアのジッタで、同国の政府関係者を前に安倍首相は自信満々の様子で、日本の原発の売りこみを行いました。トルコでもトップセールスで受注しました。
原発関連企業と、それとゆ着を深める自民党政府にとっての魅力は、原発一基5000億円という経済的利益にあるのでしょう。安倍政権が、原発や原発技術の輸出をめざす国々には、ヨーロッパではイギリス、フランス、ポーランド、チェコ、中東ではトルコ、ヨルダンUAE(アラブ首長国連那)、サウジアラビア、アフリカでは南アフリカ、南米ではブラジル、アジアではベトナム、インドがあげられます。
安倍首相は529日には来日中のインドのシン首相とも官邸で会談し、福島の原発事故を機に中断していた原子力協定交渉を再開し、原発輸出を視野に早期妥結にむけて交渉を加速することで合意しました。ここでついでに言っておきたいことはインドという国は、NPT未加盟の核保有国であるということです。
安倍内閣は原発の再稼働を既定の方針としています7月に原子力規制委員会が原発に対する「規制基準」を正式に決めるのをうけ、北海道・泊、柏崎刈羽、関西電力・高浜(福井)、伊方、玄海、川内などの原発について再稼働の手続きをすすめることを計画しています。
安倍内閣がいまやるべきことは、原発事故の「収束宣言」を撤回し、収束と廃炉、除染と賠償を日本の英知と技術のすべてを結集して何ごとにも優先する一大事業としてやりぬくことではないでしょうか。
原発事故を経験したから、世界で一番安全な原発だから、輸出するのだと言っているのだ。彼の口にガムテープを貼って、黙らせて欲しい。

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