2013年10月25日金曜日

池上彰の政治学校


   「池上彰の政治学校」という本を入手した。今、本屋へ入ると、池上彰の本が何冊も平積みにして売られている。私は、このような売られ方をしている本は読まないことにしている。古本市で安く売られていたので、読んでみた。「食わず嫌い」もいけないと思って。その中で、成る程と思ったところを紹介する。
       若者よ、投票へ行こう
   日本の政治の問題として、若い人を中心に日本人が選挙に興味を示さなくなり、このところ投票率が下がっているという事実があります。これは民主主義の根幹を揺るがす由々しき事態です。
では、日本人に選挙に興味を持ってもらうには、どのような方策があるのか。
   アメリカの学校では、授業でさまざまな実際の政策を披露しながら、どれがいいかを決めるために「模擬投票」まで行うことがありますが、同じように日本でも、小学校や中学校から、社会科の時間などを利用して政治教育をする必要があるという話が出ています。
   ただ、日本の学校で政治教育をするのは簡単ではありません。たとえば、衆議院議員選挙に合わせて、「さあ模擬投票をしてみよう。みんな、どの政策がいいと思うかな。今の立候補の中で誰がいいと思う? 考えてみよう、実際に投票してみよう」などという授業をすれば、すぐにマスコミが、「学校の先生がそんなに政治的なことをやっていいのか」といったネガティブな報道をするはずです。父母の中には、学校や教育委員会に文句を言いにいく人も出てくるでしょう。
    だから、学校の先生はうっかりしたことは言えません。とにかく教科書に書いてある一般論として選挙の仕組みの話しかできない。それでお茶を濁して先へ進む。こうして政治に関する本当にしなくてはならない教育が行われていないのです。いわゆる「関心を持たせる」ような教育ができないわけです。
   実は、私が若者の投票率を上げる秘策として考えているのは、二つあります。一つは、今解説したように小学生、中学生の頃から、「模擬投票」など、政治に興味を持たせるような授業をすること。そしてもう一つが、選挙権を与える年齢を引き下げることです。 
たとえばへ18歳から選挙権が与えられるようになったとします。すると高校生のときから選挙権を持つことになるわけです。高校生であれば、まだ純情ですから、「選挙に行かなければいけないよね」と言われれば、とりあえず投票に行く人も多いと思います。そこで政治に興味を持ってもらえれば、大きな動きにつながる可能性がある。
   ところが20歳になると、すでに就職していたり大学へ行ったりしていて、まず時間がありません。それに、地方から都会の大学へ進学している人も多いでしょう。自分の地元であれば、どのような問題があり、どのような候補者がいるのか、わずかながらでも耳に入れたことがあるかもしれませんが、東京に出てきたばかりでは、候補者も知らないし、何が問題なのかわかりません。結局、関心も持たないし、投票にも行かないということになってしまいます。
そうして何年も行かなくなると、「選挙に行かない癖」がついてしまいます。あるいは、行ったとしてもどうしていいのかわからないから、怖くて行けないという人も出てきます。 
   高校生のときに、とにかく自分が生まれ育ったところで一度でも投票をしておけば、少なくとも選挙で票を入れるときに何をすればいいのかわかるようになります。それに18歳から政策について自分の考えを持つようになれば、精神的にも成長するようになるでしょう。政府も18歳から選挙権を付与する方針を打ち出しましたが、いつまで経っても実現する気配がありません。
   私は、18歳からの選挙権に賛成である。しかし、当面はならないだろうなあ・・・。

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