2013年11月22日金曜日

書評

   佐藤優氏は、東洋経済の連載で新聞の書評について論じている。以下一部を紹介。
 書評にはさまざまなスタイルがあるが、まず重要なのは引用箇所をきちんと明示していること。長い書評で引用が一カ所もない場合、評者がテキストを精読していないと考えたほうがいい。そのような書評は読んでも時間の無駄である。
   さらに同じ本を取り上げた評者が異なる書評で、引用箇所が同一である場合も注意が必要だ。この場合は二つの可能性がある。
   第一は、後から書評を書いた人が先行書評を読んで、その内容をまねている場合。これは限りなく剽窃に近い行為なので書評家として論外だろう。
   第二は、出版社がつけてくる資料に基づき、書評している場合だ。こういう資料には作品の肝になるテキストが引用されている。資料に依存して書かれた書評は広告とほとんど差がなくなる。
   辻原登氏は「熊野でプルートスを読む」という氏の、書評本の中で以下のように言っている。本屋で「本屋大賞」なる、書店員が「おすすめ!」と言って推奨することに関して異議を唱えている。書店員は一般人より、本をどれくらい読みこなしているのか、読書人として釈然としないと。紹介するなら、きちんと本を読みこなしてから紹介しなさいと言っているのだ。
   私も、その通りだと思う。決して店内のポップスタンドの紹介では本は買ってはいけない。書評で本を買うなら、書評している人を選んだ方がいい。

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